
お客様インタビュー
美容鍼Te to Te オーナー 新屋様 x RFY木村社長(対談)

お客様インタビュー(対談)
美容鍼Te to Te オーナー 新屋様 x RFY木村社長
アール・エフ・ヤマカワが空間プランニングを手がけた「美容鍼灸サロン Te to Te(桑名院)」のオーナーである新屋様と弊社代表取締役社長 木村の対談インタビューを行いました。
インタビュー:コピーライター いとう ともひろ
古民家を業界トップレベルの美容鍼灸サロンに。
そのイメージを、カタチにするまで。


2025年5月、三重県桑名市に美容鍼灸専門サロン「Te to Te」2号店がオープンしました。
古民家カフェの2階スペースを大胆にリノベーションした新店舗の設計・プランニングを手がけた弊社代表取締役社長の木村と、「Te to Te」オーナーの新屋 翼(しんや つばさ)さんが今回のプロジェクトついてざっくばらんに語りました。

木村 奬 |KIMURA SHO
ハワイ州ブリガムヤング大学卒業。海外留学で得たグローバルな観点と見識を活かし、アール・エフ・ヤマカワ株式会社の社長兼デザインディレクションとして新商品開発に携わる。
新屋 翼 |SHINYA TSUBASA
美容鍼灸サロン「Te to Te」代表。国内屈指の美容鍼灸師や不妊鍼灸師と交流を深めながら、セミナー講師や執筆活動、美容機器の監修、鍼灸師向けWebメディアの運営など多岐にわたって活躍中。
ミラノへの旅を通じて共有できた方向性。
新屋代表: 知人の紹介で5年ほど前に木村さんとお会いして、同じ三重県出身ということで意気投合しましたね!
RFY木村: それで、ミラノサローネ(イタリアで開催される世界最大規模の家具見本市)の視察に誘ったら、新屋さんは2年連続で参加してくれて…

新屋代表: 旅の中で木村さんの仕事に対する想いを聞けましたし、建築や家具、インテリアなどの深い知識を目の当たりにして、新店舗の設計をぜひ依頼したいと思いました。
ありきたりな鍼灸院にはしたくない!


RFY木村: 新店舗はコンクリート打ちっぱなしのテナント空間を想定していたのだけど、新屋さんが実際に契約したのが古民家カフェの2階スペースということでびっくりしましたよ(笑)
新屋代表: 桑名にはイメージ通りの物件がなかなか見つからなくて…(苦笑)
施術で定期訪問していたヨガスタジオの方から紹介いただいて、立地が気に入ったので「木村さんにお願いすれば素敵な空間にできるんじゃないか」という期待がありました。
RFY木村: チャレンジングではあったけれど「ありきたりな鍼灸院の雰囲気にはしたくない」という共通認識があったので設計・プランニングに臨むことができました。

コンセプトは「和モダン × 清潔感 × 居心地」

RFY木村: 今回は古民家の構造を活かしながら、いかに古民家らしさを払拭できるかにこだわりました。これまでに培ってきた経験やアイデアを具現化するチャンスだとも感じたんですよね。
方向としては和モダンですが、モダンなイメージがより強いと思います。海外にある和風建築のような空間に仕上がりました。
新屋代表: デザインに関しては全面的にお任せして、間取りや動線設計など“鍼灸院としての必要条件”については細かくオーダーすることを心がけました。オペレーションがスムーズで、お客さまもリラックスできる整った空間になったと感じています。


RFY木村: 古民家をおしゃれな空間に変換するため、細部にもかなりこだわってプランニングをしています。
壁は高級感を演出するために壁紙ではなく塗装を施し、“引き算のデザイン”で空間に使用する色数を極限まで落としました。
ただし、入口のカーテンだけは鮮やかな青を採用してコントラストをつけました。季節に合わせてカーテンの色を変えるだけで、空間の雰囲気をがらりと変えられるんです。天井の梁を残しながら、天井面を黒に統一することで天然木が映える演出もしています。
入り口はあえてアーチ状にして、ミラーもアーチ状のものを採用することでデザインの相関性を楽しむ工夫も行っています。

プランニングに、ストーリーを落とし込む。
新屋代表: 私は受付スペースと広がりを感じる廊下の雰囲気がとても好きです。
RFY木村: 受付にはコンクリートのような質感の「モールテックス」で仕上げたカウンターを特注で設えています。廊下の突き当たりには、開業のプレゼントでご友人からいただいた一輪挿しを飾ったんですよね。その場の発想で照明を当ててみると、まるで美術館のようになりました。


新屋代表: 照明といえば、メインとなる照明もサプライズがありました!
RFY木村: メイン照明には、ミラノサローネの会場で一緒に見たものを入れたんですよね。図面上ではどんな照明を入れるかわからないようにしておいて、最後の最後にサプライズでこの照明を新屋さんに提案したんです。
新屋代表: 照明によって空間が完成した感じがしました。ミラノでの経験に深い意味を加えてくれた、そのストーリーに感動しました!
「あえて見せない」という美学。

RFY木村: 今回のプロジェクトでは、私自身は窓に一番の思い入れがあります。
昔ながらの古いサッシがはまっていたのですが、窓ごと替えるほどの予算はかけられません。そこで、サッシの枠を隠すようにあえて壁を突き出したんです。窓は小さくなりますが、納得のいく空間に昇華できました。
ここで働くスタッフにとっても、心地いい場所にしたい。
新屋代表: 木村さんはインテリアのプロフェッショナルなのですが、インテリア小物は「Te to Te」スタッフが選ぶことを提案してくれました。
ここで実際に働くスタッフがアイテムを選ぶことで「自分たちの美容鍼灸サロンだ」という思いが強くなり、モチベーションの維持向上にもつながっています。
RFY木村: ここまでの空間というのは、全国の鍼灸院やサロンを見回しても珍しいと思いますね。
新屋代表: 「Te to Te」1号店はイオンタウン菰野内にあるのですが、この2号店が開院してからは、こちらにわざわざ通われるお客さまもいらっしゃいます。
綺麗なサロンというのは採用活動においてもプラスになっていて、東京や福岡から移住して弊社に就職したスタッフもいるんです。人材難の業界なので、すごい効果をより実感しています。
ただ綺麗に作るだけなら、デザインが得意な施工会社はたくさんあると思います。しかし“文脈がある建物”にするのは簡単ではありません。
さまざまな施工会社に依頼してきた経験がありますが、「お願いして本当によかった!」と心から感じたのは、今回が初めてでした。木村さんの情熱と細部へのこだわりが、この特別な空間を作り上げてくれたと実感しています。

Interviewer| コピーライター いとうともひろ
愛知県出⾝。関⻄でウェブディレクションとコピーライターの経験を積み、名古屋へのUターンを機に独⽴。得意とするコンセプトフレーズ開発をはじめ⻑⽂ボディコピーや冊⼦もの、リライト案件、写真撮影を含むインタビュー記事などにも柔軟に対応。元ウェブディレクターとしての知⾒を活かし、企画・プランニングの領域やウェブ関連の仕事も多数⼿がけています。
【インタビュー会場】AOI CELESTIE COFFEE ROASTERY (アオイ セレスティ コーヒー ロースタリー)|愛知県名古屋市東区東桜2-17-22
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