小規模でもクリエイティブなオフィスをつくる

グローバル先進企業の革新的なオフィスが注目を集める昨今、日本国内でも一部の大企業や勢いのあるベンチャー企業などが「クリエイティブオフィス」を採用しています。クリエイティブオフィスとは、一体どういうものなのでしょうか?

1. クリエイティブオフィスとは?

クリエイティブオフィスは、企業の創造力を向上させるために最適化されたオフィス、またはその概念を指す言葉です。2007年に日本企業の感性価値創造を推進する経済産業省が提起して以来、各方面での研究が勧められ、推奨されてきました。

経済が成熟化し、情報伝達の高速化に伴って人々の価値観も多様化する現代。

年々激化するグローバル競争を企業が生き残るためには、性能や品質、価格面での合理性のみならず、感動や共感など、人の感性に働きかけるモノ・サービスを創出することが重要で、それにはまず、オフィスがその創造力を高め、発揮しやすい「場」となるように整備する必要がある。端的には、これがクリエイティブオフィスの考え方です。

参考:「感性価値創造イニシアティブ – 第四の価値軸の提案」 https://www.nopa.or.jp/copc/pdf/kansei-honbun.pdf

2. クリエイティブオフィスの必要性

クリエイティブオフィスでは、社員一人ひとりの感性を活かし、異分野の知識や経験をも融合して知的生産性を高め、創造力の向上を目指します。そのための「場」があることで、各社員が能力を発揮しやすいようにし、さらにはお互いがその能力に気づけるようにする。そして、それらをつなぎあわせ、あるいは刺激し合うことで相乗効果を生み出す、というようなイメージでしょうか。

これは決して先進企業、大企業だけの話ではありません。社員数の少ない中小企業のオフィスや小規模オフィスにおいても、この概念をオフィスづくりに組み込むことで、企業としての意識改革や進化につながると考えられます。

では、オフィスをクリエイティブな「場」にするためには、一体どのようにすればよいのでしょうか?

3. クリエイティブオフィスに必要な5つの仕掛け

創造力を高めるクリエイティブオフィスに必要とされるのは、コミュニケーションを中心とした様々な行動を促す仕掛けです。5つありますので順番に見ていきましょう。

①ひらめきを誘発する仕掛け

アイデアや発想を得やすいのは、具体的には何も考えておらず脳がデフォルト状態にあるとき。ただし、その源となるのは、脳に蓄積されている無数の記憶や情報の断片で、無意識の内に脳の働きによってそれらがつながり、ひらめきとなると考えられています。

つまり、アイデアの源になる情報や刺激を得ながら、時にはリラックスして頭を休ませる。これを交互に、頻繁に行うことがひらめきを誘発する仕掛けとなりうるのです。

情報や刺激を得やすいのは、例えば、社内でのコミュニケーションを促進するマグネットスペース。リラックスには、休憩・リフレッシュスペース。ひらめきを誘発するには、この2つの環境を使い分けできるようにすることが推奨されます。

②集中して思考できる仕掛け

ひらめきにより得たアイデアは、思考し、検証してさらに練り上げるという工程が必要です。また、それをどのように提案し納得させて実現に結びつけていくのかも考えなければなりません。そのプロセスにおいては、ひとりで思考に没頭できるような環境が必要になります。

そのためには、周囲を気にせず、自由に集中できる自習スペースや集中スペースをオフィス内に構築することが推奨されます。

③社内外の知識や経験をつなぐ仕掛け

顧客や取引先、異業種間での交流は、知識や情報の共有はもとより、社員一人ひとりの感性を磨くこと、それによる新たな価値観の創出にもつながります。

社内外のコミュニケーション促進には、外部に対してもオープンな共有スペース、セミナーや懇親会といったイベントを開催できる多目的利用のフリースペースカフェスペースなどを構築することが推奨されます。

④感性を発信し合い、価値観やビジョンを共有できる仕掛け

アイデアや発想は、自分の中だけに留めず、発信して他人から客観的な意見や共感を得ることによって、新たな”気づき”や発想の転換につながります。

発信はインターネット上でも可能ではありますが、ヒラメキ段階での意見交換やアイデア伝達の場合、1つの「場」で向かい合う直接的なコミュニケーションの方が理解も深まり、相互作用も働いて、ビジョンを共有しやすくなります。

そのためには、いつでも気軽に即興的なミーティングができるようなミーティングスポットカフェスペースを構築することが推奨されます。

⑤社員一人ひとりの感性を高める仕掛け

五感を刺激してインスピレーションを得る。アートや音楽、食や異文化など、自分の嗜好や業務に関係のないようなことでも、知るきっかけや触れる機会があれば、一人ひとりの価値観の幅を広げ、感性を高めることにつながります。

オフィスにおいては、専門分野以外でも見聞を深められるようなライブラリースペースの構築や、ちょっとした展示やワークショップ等も開催できるようなバースペースラウンジの構築なども推奨されます。

以上が、クリエイティブなオフィスづくりに有効とされる5つの仕掛けになります。

4. まとめ

創造力向上の「場」となるクリエイティブオフィスに必要なのは、社員の行動を促し、感性を刺激し合えるような仕掛け。さらには、個性を活かすことで生まれるアイデアを融合し、ビジョンを共有して形にしていくための仕掛けです。それらは、カフェスペースリフレッシュスペース集中スペースミーティングスポットといった「場」をオフィス空間に設けることにより、具現化していきます。

これまでオフィスにそういった「場」が不足していたとすれば、新たに構築することで実現につながると考えられます。もし既にあるのに機能していないのであれば、その要因を突き止め、ブラッシュアップする必要があるのではないでしょうか。

いずれの場合も、自社にとってはどの仕掛けが必要でどれが最優先なのかを確認すべく、まずは現状の働き方やオフィス環境を見直してみるとよいかもしれません。

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