オフィスレイアウトのイメージ

「オフィスをリニューアルしたい」「オフィス移転の機会にレイアウトを変更したい」とお考えですか?
オフィスレイアウトを考える時に役立つ、オフィスレイアウトのための基準寸法についてまとめています。

1. オフィスレイアウトで重要なこと

オフィスレイアウトとは、企業活動を行う場であるオフィスにおいて業務を能率的に遂行するために、スペースを用途や機能ごとに区分け(ゾーニング)し、相互関係や動線を考慮しながら家具や機材等を計画的に配置(レイアウト)すること。

中小企業オフィスや小規模オフィスの場合、限られたスペースを最大限に活用することを重視するあまりレイアウトも詰め込みがちになります。しかし、オフィスにはある程度のゆとりがなければ使い勝手の悪さはもちろんのこと、利用者の心理的ストレスともなり生産性の低下に繋がりかねません。そういった事態を避けるには、あらかじめオフィスの通路幅や動作空間など基準となる寸法を把握しておく必要があります。それらを踏まえてオフィスの人の流れや動きを想定しながら目的に応じたレイアウトを計画することが重要なのです。

2. オフィスレイアウトで知っておくべき動作空間の目安

動作空間のイメージ

オフィスでの動作空間についてみていきましょう。

動作空間とは、人が何かの動作を行う際に必要となるスペースのこと。人が身体を動かすために必要な空間領域(作業域)と家具・機材等の寸法、さらにそれらの利用や作業に必要なゆとりを加えた空間のことです。

オフィスをレイアウトするには、移動のための通路幅、座席周りでの動作空間、家具・機材の設置寸法とそれを利用するための動作空間を想定しながら計画を立てる必要があります。

オフィスの通路幅、着席寸法、収納やコピー機周りの寸法の目安について、順に解説していきます。

オフィスレイアウトの通路幅

通路幅は、通常成人の肩幅の標準的な寸法(45〜50cm)を基準に、動作のためのゆとりを加算して設定します。オフィス内の移動に最低限必要な通路幅の目安は以下のようになります。

通路幅の目安
  • 通常歩行:600mm / 車椅子利用:750mm
  • 2人がすれ違える幅:1200mm
  • 2人並んでゆったり歩行できる幅:1600mm

※ 避難経路における通路幅としては1200mm以上が推奨となっています

オフィスレイアウトの着席寸法

執務を行うオフィスデスクや会議テーブルの座席周りは、デスク(テーブル)の手前からの距離で動作空間を含めた寸法を確保しレイアウトします。着席寸法の目安は以下のようになります。

着席寸法の目安
  • 着席状態: 約500mm
  • 椅子を引いて座る・立ち上がる動作 :
  • 肘なし会議椅子で約600mm
  • 肘付き会議椅子で約700mm
  • デスクチェアで約700〜900mm

※ チェアの機能や形状(肘掛けや座回転の有無など)によっても異なります

オフィス収納・コピー機周りの寸法

収納・コピー機周りの寸法について

キャビネットや書庫といった収納や複合コピー機の動作空間は、扉の有無や引出の可動範囲の差もありますが、利用者が低い位置のものを見たり、取り出したりする際に屈むことを想定すると、奥行き寸法で約1000mmが目安です。

ただし、設置する際には、利用者の動作空間に加えて周囲の人の行動や移動パターンも考慮する必要があります。

様々なレイアウトが考えられますので、それぞれの場合についてみていきましょう。

座席の背後に収納を設置する場合

座席の背後に収納を設置する場合

座席の背後に書庫やキャビネット等を置く場合は、着席寸法500mmに扉・引出の可動域と動作空間で1000mmをプラスした寸法で、デスク手前から収納まで1500mm以上を確保しておくと、着席中の背後でも資料を探しやすい環境になります。

ただし、席の背後が主要な動線を兼ねる場合には1800mm以上が推奨となります。

② 座席の背後に複合コピー機を設置する場合

座席の背後に複合コピー機を設置する場合

席の背後に複合コピー機を置く場合も、着席寸法500mmにトレー等の可動域と動作空間1000mmをプラスした寸法で、デスク手前から機材まで1500mm以上あれば、着席中の人の背後でもそれぞれが作業しやすい環境になります。

ただし、順番待ちなどで人が集まりやすいエリアでもあるため、利用頻度やオフィス内の移動パターンによっては余分にスペースを確保しておくことが推奨されます。

デスクの横に収納を設置する場合

デスクの横に収納を設置する場合

デスク横に通路を隔てて収納を設置する場合には、通常歩行の必要幅600mmに立位での動作域500mmほどをプラスした寸法で、最低でも約1100mmを確保します。

ただし、主要な動線を兼ねる場合には1800mm以上が推奨となります。

デスクの横に複合コピー機を設置する場合

デスクの横に複合コピー機を設置する場合

デスクの横に複合コピー機を設置する場合は、機材利用者の背後を人が通り抜けられるよう、通常歩行の必要幅600mmに立位での動作域500mmほどをプラスした寸法で、最低でも約1100mmを確保します。

ただし、順番待ちなどで人が集まりやすいため、利用頻度やこの動線の重要度に応じて余分にスペースを確保しておくことが推奨されます。

以上が、オフィスレイアウトで知っておくべき動作空間の目安になります。

次に、これらを踏まえた執務スペースのオフィスレイアウトについてみていきましょう。

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3. 執務スペースのレイアウト寸法

オフィスの執務スペースは、通常、人数分のデスクあるいはフリーアドレス席、コピー機等の機材や収納庫、作業スペース等で構成されます。下のレイアウトイメージを使って各所の寸法について解説します。

執務スペースレイアウトのイメージ

オフィスレイアウト 執務スペース通路幅イメージ

以下の数字をクリックすると各寸法の解説に移動します。

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1 座席と収納の間

座席の背後に収納を設置する場合には、着席寸法に扉・引出等の可動域と動作空間寸法を加算して、デスクから収納まで最低1500mm以上を確保します。主要な動線を兼ねる場合は、収納庫前に立つ人と座席の間を通れるよう1800mm以上開けると鉢合わせストレスが少なくなります。

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 背中合わせの席と席の間

デスクの島と島の間で座席が背中合わせになる部分は、椅子のぶつかり合いを避け、双方が着席中でも間を人が横向きで通り抜けられる寸法として、最低1500mm以上の間隔が必要です。主要な動線になる場合は1800mm以上が推奨されます。

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3 座席と壁の間(通り抜けなし)

上長席など、背後に人の通り抜けがない座席では、デスクから壁までの間隔で900mm以上が推奨です。デスクチェアのサイズや機能によっては動作空間がさらに必要になる場合もあります。

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4 座席と壁の間(通り抜けあり)

座席と壁面の間が通路となる場合には、着席中の人の後ろを通常歩行で通り抜けられる寸法としてデスクから壁までの間隔で1200mm以上が推奨です。スペースに余裕がある場合は1400mm程度確保しておくと離着席がスムーズになります。

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5 島と島の間

デスクの島と島の左右の間隔は、1人が通常歩行できる最小幅600mmにゆとりをもたせた寸法で900mm以上が推奨です。スペースに余裕があれば1200mm程度確保すると、避難経路としても充分な通路幅になります。

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6 メイン通路

エントランスからの動線など、オフィスの主要な通路に必要な幅は、2人がゆったり並んで歩行できる寸法として最低1600mm以上を確保することが推奨されます。

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7 複合コピー機・作業スペース前

デスク脇に複合コピー機を設置する場合、立位で操作する動作域として約500mm、背後を通常歩行で通り抜け可能にするなら約1100mmのスペースが必要になります。席の背後に設置する場合、デスクから機材まで1200〜1500mm以上を確保できると、利用者のストレスが少ない環境になります。

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以上が、執務スペースのレイアウト寸法の目安です。執務スペースにおいては、デスクワークの集中を妨げない適度な距離感と人がスムーズに移動できる動線計画が、オフィスの快適性を高めるポイントになります。

次は、オフィス内の会議室・ミーティングルームのレイアウト寸法についてみていきます。

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4. 会議室・ミーティングルームのレイアウト寸法

会議室・ミーティングルームには、対面形式やビデオ会議用をはじめ、コの字や口の字、セミナー向けの並列式など、人数や目的に応じた様々なレイアウト形式があります。各形式のレイアウト寸法について、レイアウトイメージを使って順番に解説していきます。

対面形式の会議室(8〜12人)

テーブルを挟んで向かい合わせに座る対面形式は、10名前後で利用する会議室で一般的なレイアウトです。テーブルの端から壁までの寸法目安は以下のようになります。

対面形式の会議室(8〜12人)レイアウトイメージ
  1. 1200mm以上
  2. 最小900mm以上
  3. 最小900mm以上

座席後ろと壁の間隔①は1200mm以上あれば着席状態でも背後を通常歩行で通り抜け可能です。

席を設けないテーブルエンド②③最小900mmあれば通路としては機能しますが、どちらか一方でモニターやホワイトボードを利用することも想定されます。

その場合は1200mm以上確保しておくと発表者が前で動作しやすくなります。

ビデオ会議向けミーティングルーム(4〜6人)

少人数のビデオ会議用で需要の多い、モニターを備えた防音仕様の小さなミーティングルーム。テーブルエンドの一方は壁付けで設置する場合、天板の端から壁までの寸法目安は以下のとおりです。

ビデオ会議向けミーティングルーム(4〜6人)レイアウトイメージ
  1. 900mm以上
  2. 900mm以上

動線となる通路最小で900mm、座席の奥行き②にあたる部分もある程度ゆとりをもった寸法を確保しておくと、狭い個室空間の心理的な圧迫感が緩和されます。

コの字・口の字レイアウトの会議室

モニターやプロジェクターを使用するプレゼンや報告会に適したコの字型の会議室レイアウト。テーブルを1台追加して口の字型にするとディスカッションに適したレイアウトになります。天板の端から壁までの寸法目安は以下のとおりです。

コの字・口の字レイアウトの会議室レイアウトイメージ
  1. 最小1000mm
  2. 1200mm以上
  3. 1200mm以上
  4. 1200mm以上

部屋の奥にあたる①の部分は動線としての重要度が低いため1000mm程あれば大丈夫ですが、1200mm確保できると背後の通り抜けがスムーズになります。

スクリーンやホワイトボードを設置する正面側②は、司会や発表者が動作するためにも最低限必要な寸法が1200mmです。

このように『間』を多く取るレイアウトの会議室は、フォールディングテーブル等を用いて可変式に利用すると効率的です。その場合は、部屋の一部に予備のテーブルやチェアを置いておくスペースを確保しておく必要があります。

並列型レイアウトの会議・セミナールーム

皆が前を向いて座る並列型(スクール形式)レイアウトの会議・セミナールーム。2人あるいは3人用の長机を等間隔に配置する構成が一般的です。配置寸法の目安は以下のとおりです。

並列型レイアウトの会議・セミナールームレイアウトイメージ
  • 1200mm以上
  • 1000mm以上
  • 600mm以上
  • 800mm以上
  • 最小1000mm以上

前方のスペース①は、講師や発表者の動作空間を考慮してホワイトボードやモニターから机まで1200mm以上を確保。②と⑤は主要通路となりますが、壁から机端②までは1000mm以上、壁と最後列の机⑤までの間隔は最小で1000mmできれば1200mm以上確保すると着席時の通り抜けがスムーズになります。

机の左右間隔③も通路になりますので最小で600mm、前後間隔④は離着席の動作域を含め800mm以上が推奨となります。

以上が、会議室・ミーティングルームのレイアウト寸法の目安になります。いずれの場合も、部屋の広さや収容人数、動線のほか、発言のしやすい距離感や席の配置などに配慮し、会議の進行をスムーズにするための工夫を凝らすことが大切です。

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5. オフィスレイアウトで迷ったら?

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オフィス家具メーカーのアール・エフ・ヤマカワでは、快適なオフィスづくりのためのオフィスレイアウトを家具選びからお手伝いいたします。

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